デジタル市場レポート2018年12月版

Column 2018

2018/12/25

QRコード決済アプリ「PayPay」
「100億円あげちゃうキャンペーン」
2018年12月のダウンロード数
アクティブユーザー数は驚異的!

キャッシュレス化を推進する日本政府は、キャッシュレス決済率を2025年までに40%にまで引き上げようという「キャッシュレス・ビジョン」を打ち出しています。このような中、近年日本でも注目を浴びている決済方法が「QRコード決済」サービスです。クレジットカード決済や電子マネー、おサイフケータイの専用端末に比べ、低価格で導入できることから普及が進んでいます。

 このトレンドを爆発的に推し進めたのが、株式会社PayPay社が本年12月4日から開始した、「100億円あげちゃうキャンペーン」です。このキャンペーンでは、「PayPay」で支払ったら、支払い金額の20%が戻ると言う今までになかったインセンティブがついていたため、ユーザー・店舗の注目を一気に集め、アプリのダウンロード数、アクティユーザー数では、同業他社を大きく上回る結果となっています。
このキャンペーンは、2018年12月4日開始から12月13日の10日間で100億円を還元し、すでに終了しています。

 まず国内Apple App Store、主要QRコード決済アプリ、「楽天ペイ」、「Origami」、「d払い」の本年1月からのダウンロード数の推移を比較すると、「PayPay」のダウンロード数が驚異的であったことがわかります。「PayPay」がキャンペーンを告知した本年11月22日以前での、ダウンロード数最大は「d払い」9月の11万9千だったのに対し、「PayPay」がキャンペーンを開始した、本年12月の「PayPay」のダウンロード数は、キャンペーンが終了した12月13日の13日間で、「d払い」の約8倍の92万3千にも達していたことが分かります。


Figure 1: QRコード決済アプリダウンロード数
(Source : Priori Data, Apple App Store, January 1, 2018 – December 13, 2018, Japan)

さらにアクティブ・ユーザー数(MAU)の推移で比較した場合も同様で、2018年12月での「PayPay」のアクティブ・ユーザー数(2018年12月1日-13日までの13日間)は、第2位の「楽天ペイ」の3倍を超えるユーザー数で43万1千となっています。

 今回「PayPay」は、後発のデメリットを一気に解決させる施策として、このような大胆なキャンペーンを実施したと説明しています。これにより国内のキャッシュレス化がどれくらいの加速度で進行して行くのか、今後も定期的にレポートしていきます。

Figure 2:  (Source : Priori Data, Apple App Store, January 1, 2018 – December 13, 2018, Japan)

国内「YouTube」サイト
ユニークビジター数トップは「UUUM NETWORK」
利用時間では「The Online Creators」

弊社が扱っているcomscoreのデータには、ネット上の動画の視聴状況を測定した「Video Metrix」があり、この「Video Metrix」では、「YouTube」内の動画コンテンツの視聴データを提供することが可能です。今回は国内「YouTube」PCサイトでどの動画コンテンツが視聴されているのか、そのユニークビジター数トップ10を紹介します。

 ランキングトップは「UUUM NETWROK」。日本を代表するYouTuberを多数保持するUUUM社が管理するネットワークで、そのユニーク・ビジター数は月間600万を超えています。それと双璧をなしているのが音楽系の「UMG」(Universal Music Group)。「UMG」はLady Gaga、Taylor Swift、Kanye West等の世界的に人気のミュージシャンを多数揃えています。

「YouTube」では音楽系のコンテンツに人気があり、3位から6位までは、「avex」や「Sony Music」等、全て音楽系の動画コンテンツとなっています。また興味深いのは、7位、8位には、「YouTube」がサポートしているオンライン・クリエイターのための動画のユニークビジター数も多く、第10位にはお笑い系の「Yoshimoto Kogyo」がランクインしています。


Figure 3 
(Source : comscore, Video Metrix, October, 2018, Japan)

一方、トップ10の動画コンテンツを、1ビューワーあたりの利用分数で比較した場合では、「The Online Creators」関連のコンテンツへの視聴時間が最大になっていることが分かり、これに「UUUM」がリリースしているYouTuber関連の動画が続いています。

Figure 4:  
(Source : comscore, Video Metrix, October, 2018, Japan)

国内Eコマース・プラットフォーム
採用ドメイン数トップは「EC-CUBE」
米国「WooCommerce」がユーザーを拡大中 

国内ではEコマース市場の拡大に伴い、企業のみならず個人を含めたユーザーが多様な「Eコマース・プラットフォーム」を活用しています。採用数ドメイントップは「EC Cube」。オープンソースで無料でも利用できるため、多数のユーザーがこのプラットフォームを利用しています。また第2位の「Color Me Shop」は実店舗を持ったユーザーを対象として、手数料は0円、さらにスマホ対応のサービスが好評で、特に個人経営のEコマースのユーザーから支持されています。



Figure 5: 
(Source : Datanyze, E-commerce Platform, December 13, 2018, Japan)

国内Eコマース・プラットフォームトップ5を、2018年11月での獲得ドメインの増減で比較した場合、獲得数トップは「EC-CUBE」。11月では獲得ドメイン数65に対し、解約0の結果で増減トップの結果となっています。

 注目は「WooCommerce」で、11月では採用ドメイン数では5位ですが、同月に55ドメインを獲得し「EC-CUBE」に次ぐ数値となっています。「WooCommerce」は米国発のEコマース・プラットフォームで、特に「WordPress」のプラグインとして利用できることから全世界的に人気を博しています。ユーザーは、「WooCommerce」をインストールすることで 「WordPress」 をECサイトにすることができます。 

Eコマース・プラットフォームTop52018年11月獲得ドメイン増減数